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創作相談板 記事No.8843

Re: 【叫び】の書き方を教えてください。

◆ イル [8843] 12/03/13(火) 16:17
西日本でも三寒四温が続いています。西森さんの方はまだ雪が降るのですね、こちらは風がまだ冷たいです。
さて、とても面白い議題ありがとうございます。かなり独自の感性で書きますが、意見を書いてみようと思います。その際、本来は「結論」を先に述べるべきかもしれませんが、説明しないと分かりにくい単語があるので結論を末尾にさせて頂いております。

叫びとは、既に出されているように非日常・あり得ない状況で発生することが多いと思います。が、それを使うかどうかは衝動性とか個性とかだと思います。が、人の発声で出て来るのはただの音(寝言など)と目的を持った音(言葉、会話など)、ただの叫び(驚きが形を持たずに出てきたものと分類します)がよくあると思います。
ただの音とただの叫びは「生(リアル)」ですが、仰る通り小説では長いとテンポを殺します。母音の長さで「生々しさ」や「驚き(怒り)の度合い」を示すという場合もありますが、非日常や異常が「通常」になれば「不自然が当たり前になっててしらける」でしょうね。

そうした母音を使いすぎる必要があるか、と考えた際「目的を持った叫びがある」と考えました。
目的を持った叫びとは「空間の遮断又は支配」です。誰かの言葉を遮る、という空間に既にある音を自分の叫びで消すなどが例として挙げられます。言葉というのはとても詳しく考えや真理、事象を説明しますが最もストレートな「勢い」や「想い」を説明しきれません。叫びとは「音の世界(音量や勢い、速度に限定した世界)で最も強い」ものです。そして世界の一部の領域でも支配するということは場の引き締めにもなると思います。
キャラクターが「目的を持って叫ぶ」のも、上記を無意識でも自覚しているからかもしれません(無意識というのはおかしいかもしれませんが、空間の遮断又は支配効果があれば目的の持った叫びとします)。
戦闘は勝ち負け、強いか弱いか、の極論に走ることが出来ます。音の世界において勝利することは実際の戦闘に影響する可能性が出てきます。叫ぶとは空気を使う=呼吸、運動や武術では呼吸は重要であることを考えれば条件反射に「叫ぶ」を使うこととも言えます。音の世界での攻防、呼吸と条件反射による「叫び」は、私の尊敬する書き手さんもよく使用されています。
また、小説の書き手が使う理由としては、そうしたキャラクターが目的を持って叫ぶことの他にも、地の文(風景描写心理描写、行動描写など)の増幅効果があるからです。説明や描写を地の文に割き、勢いや想いは叫びで表現する。
西森みかんさんの書かれたことを読むと、「叫びの使いすぎ」より「増幅効果」であるべき叫びばかり採用されて地の文を疎かにしている点が何より問題と思います(地の文少ない+相対的に文章に叫びが多い=叫びすぎ)。母音の有無問わず叫びをよく使う小説家さんを複数知ってますが、「数分間の戦闘」で数回しかない会話文が全て叫びです。地の文はしっかり濃厚な描写ですので叫びも違和感がありません。

以上から
1.母音等々を使って音を伸ばすのは、どれくらいが適当
 呼吸ですから、一回の叫びはこちらの小説の一行の半分(17字位)くらいかと。一行でも多分実際にやったらきついのですから、運動中ならそれ位と思います。西森みかんさんの例ですと、私は「語尾だけ伸ばし、『っ』は減らす」ということで、
「うおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉっ!!」
 とします。一つの音を伸ばしてから口を動かすというのは叫びというより、意味ある音が大きくなった大声と判断するからです。
 叫ぶ回数(行)は地の文よりも少ない方が好ましい、と思います。

2.そのような書き方は、どういったメリットがあるのでしょうか。
 既に出ている非日常の演出に加え、空間の遮断又は支配、呼吸と叫びを条件反射の関係で繋いでいる、地の文の増幅効果があると考えます。

長くなりましたがお付き合いありがとうございます、私の意見が誰かの参考になったら幸いです。

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