ウルタス・ブイ物語

貴族の贅沢

ウルタス・ブイ物語とは

王都インフェリアの王立劇場で見られる演劇です。
全部見ると計626,260ガルドもかかるので、余裕のある時しか見ない方が良いでしょう。

第1幕 --- 10ガルド

 
☆アナ宅前(夜)
アナ>ねぇ、クララ。知っていて?
 今度おこなわれる舞踏会で伯爵の求婚相手がおひろめされるらしいわ
クララ>まぁ、どなたかしら?
アナ>またまたぁ! しらばっくれてもダメよ
 おめでとう・・・は、少し気の早いご挨拶かしら
クララ>・・・あら、いけない! 立ち話が過ぎてしまったよう
アナ>ほんとう。ずいぶん暗くなったわね。クララ、お気をつけて。それでは、ごきげんよう
クララ>ごきげんよう
 
☆アナ退場、暗転
(謎の声)>『お嬢さん、お待ちなさい』
クララ>誰!?
(謎の声)>『お嬢さん、あなたは今のままでもよろしいのですか?』
 『あなたの未来は、本当はもっと違うところにあるのでは?』
 
☆クララ退場、兵士たち登場
兵士A>やられた! これでもう8人目だ!!
兵士B>貴族令嬢ばかり狙いやがって
兵士C>またアイツか?
 
☆兵士たち退場、暗転、司会登場
司会>昔々の物語。とある町は不穏な空気に包まれておりました
 貴族の令嬢達が、何者かによってさらわれる事件が相次いでいたのです
 令嬢達の行方はようとして知れず、犯人が残した唯一の手がかりは・・・
 ウルタス・ブイ! という名前
 煙のような犯人、ウルタス・ブイとは何者なのでしょうか?
 と、ここでお時間尽きた模様。本日これにてごきげんよう


第2幕 --- 50ガルド

 
☆市場(昼)、暗転、司会登場
司会>貴族令嬢連続誘拐事件は彼ら平民達の間でも噂になっているようです
 
☆市場(昼)、司会退場、暗転解除
老婆>誘拐犯がまたウルタス・ブイを名乗ったそうじゃな
マーサ>きっと何かのワナよ!
 ウルタス・ブイといったら平民にお優しい覆面剣士さまとして有名じゃないか
船乗り>いやいや、2面性のあるおかたかもしれんぞ
 金持ちには、とことん冷酷になれる殺人鬼とか
マーサ>ウルタス・ブイさまの悪口言ったら、承知しないよ!!
老婆>まぁまぁ。ルーカス、あんたはどう思う?
ルーカス>・・・さぁ・・・なんだろうな?
 あ! 俺、そろそろ帰らないと。アナお嬢様に新鮮な魚を食べさせる約束したんだ
マーサ>あ! あたいもこうしちゃいられない
 
☆ルーカス、マーサ退場
老婆>やれやれ。ルーカスのヤツに聞くのが間違いだった。意見なんてあるわけない
船乗り>バカがつくほどのお人好し、天然すぎるボケっぷり
 あれじゃ、お転婆嬢様にいいようにこき使われても仕方ねぇよな
老婆>ところで、マーサはどうかしたのかい?
商人>オヤジさんの借金がかさんじまってな
 あと3日以内に払えなかったら・・・身売りだとよ
船乗り>・・ひでぇ話だな
 
☆暗転、司会登場
司会>貴族には貴族の平民には平民の事情というものがあり
 それぞれの生活に、哀しみが潜みます
 それが人の世というものです
 ウルタス・ブイが潜む場所はどこなのでしょうか?
 と、ここでお時間尽きた模様。本日これにてごきげんよう


第3幕 --- 200ガルド

 
☆アナの部屋(夜)、暗転、司会登場
司会>おやおや。お転婆令嬢はご機嫌ななめのご様子です
 
☆アナの部屋(夜)、司会退場、暗転解除
アナ>ルーカス! ルーカスはいないの!?
 
☆ルーカス登場
ルーカス>なんでしょう、アナお嬢様?
アナ>わたくし、ウルタス・ブイとかいう者のせいで、お父様から外出を禁止されてよ!!
ルーカス>はい。それは
アナ>屋敷から一歩も出られないなんてわたくし、耐えられない!!
 ウルタス・ブイって何者なの?
ルーカス>はい。貴族令嬢をねらった誘拐犯だという噂です
アナ>だから何だと言うの?
ルーカス>危険なのです!
 ・・・昨日は、クララ様が誘拐されました
アナ>うそ!
 クララは結婚を控えていてよ!?
ルーカス>おいたわしい事件です
アナ>そんな・・・
 
☆ルーカス退場、場面はアナの部屋(昼)に
アナ>ルーカス! ルーカスはいないの!?
 
☆メイド登場
アナ>ルーカスは?
メイド>はい。本日の早朝、お暇をいただきました
アナ>どういうこと!!?
メイド>は、はい。なんでも、自警団に入団したいとかで・・・
 アナお嬢様!! どちらへ!?
アナ>ウルタス・ブイをやっつけてくるわ! クララの敵討ちよ!!
 ルーカスに出来て、わたくしに出来ないはずないじゃない!!
 
☆アナ退場
メイド>だ、だんな様ぁ〜
 
☆メイド退場、暗転、司会登場
司会>張りきりましたるお転婆令嬢アナ。そのお手並みやいかに?
 と、ここでお時間尽きた模様。本日これにてごきげんよう


第4幕 --- 1000ガルド

 
☆市場(昼)、暗転、司会登場
司会>お屋敷を飛び出したお転婆令嬢アナ
 とりあえず、平民の集まる市場に来てみました
 お転婆令嬢アナにとって、見るも聞くも生まれて初めての光景ばかりです
 
☆司会退場、暗転解除
アナ>いい匂い・・・
花屋>ドエニスの花ですよ
アナ>ドエニス?
花屋>はるか彼方の大陸に咲く美しい花の名前です
アナ>はるか彼方ね・・・1度見てみたいわ
 
☆突然船乗りが登場、アナにぶつかる
アナ>痛いわね!!
船乗り>どこに目ぇつけてんだ!
 ・・・ってあれ? お転婆令嬢がなぜここに?
アナ>お転婆ですって!?
船乗り>い、いや、ルーカスの話から想像した通りの嬢様だな・・・と
アナ>ルーカスったら、許さなくってよ!!
 
☆マーサ登場
マーサ>ウルタス・ブイさまが、ウルタス・ブイさまが〜!!
船乗り>また誰か誘拐されたのか!?
マーサ>違うよ!!
 やっぱり、ウルタス・ブイさまは正義の味方だよ
アナ>どういうこと?
マーサ>借金でどうにもならなくなったあたいの前に、両手一杯ドエニスの花を抱えて現れたんです!!
 ドエニスの花さえあれば、染め物が出来る
 染め物が出来りゃ、借金を少しずつ返していけるんだ
船乗り>良かったなあ!!
 そうか。やっぱりウルタス・ブイはいいヤツか
 
☆ルーカス登場
ルーカス>アナお嬢様!!
 こんなところで何をしてるんですか!?
アナ>勝手に屋敷を出ていくおまえには関係ないでしょう!
 わたくし、そのウルタスとやらに会いたくてよ。どこに行けば会えるのかしら?
マーサ>あ、あたいにドエニスをくれた後、あっちの方へ・・・
アナ>そう。ありがと!
 ウルタス・ブイ、待ってなさい! 正義だか悪だか知らないけれど、クララの行方を教えてもらうわよ!
ルーカス>アナお嬢様! お待ち下さい!!
 
☆アナ、ルーカス退場、暗転、司会登場
司会>走り出したら止まらないのが、お転婆令嬢たるゆえん
 はてさてどうなりますことやら・・・
 と、ここでお時間尽きた模様。本日これにてごきげんよう


第5幕 --- 5000ガルド

 
☆市場(昼)、暗転、司会登場
司会>おやおや。ルーカスはお転婆令嬢を見失ってしまったようです
 
☆司会退場、暗転解除
ルーカス>アナお嬢様ぁ〜!!
 
☆マーサ登場
ルーカス>この辺りで貴族令嬢を見かけなかったか?
マーサ>・・・み、見てないねぇ
ルーカス>まいったな
 
☆ルーカス退場
マーサ>・・・行きましたよ
??>ルーカスったら!なかなかしぶとかったわね
マーサ>あの!
アナ>あぁ・・・黙っていてくれてありがとう
 これはお礼よ
マーサ>施しはいりません。それより!
 あたいも嬢様とおんなじ気持ちです!!
アナ>ウルタス・ブイ・・・に会いたいと?
マーサ>はい! そこで嬢様・・・お願いがあるのです
 
☆暗転、市場(夜)、アナ?登場
謎の声>『お嬢さん、お待ちなさい』
アナ?>ウルタス・ブイ!?
兵士A>10人目の被害者だ!
兵士B>また犯人はウルタス・ブイか!?
兵士C>ちくしょう! 逃がさねぇぞ!!
 
☆兵士退場、司会出現
司会>ついに!! お転婆令嬢アナにもウルタス・ブイの影が忍び寄りました
 お転婆令嬢の運命やいかに!?
 と、ここでお時間尽きた模様。本日これにてごきげんよう


第6幕 --- 20000ガルド

 
☆市場(昼)、暗転、司会登場
司会>顔見知りの貴族令嬢が10人目の犠牲者となったことは、平民の彼らにも衝撃を与えました
 
☆司会、走ってきたルーカスに突き飛ばされ退場、暗転解除
ルーカス>あ、あ、アナお嬢様は??
老婆>ルーカス・・・残念だけど
船乗り>ウルタス・ブイってやっぱりひでぇヤツだな
ルーカス>そんな・・・
 アナお嬢様ーーー!!!
??>ルーカス、しっかりなさい!みっともなくってよ
ルーカス>アナお嬢様!!?
アナ>にぶくてよ
商人>なぜ、お転婆嬢様がマーサの服を着てるんだ? マーサはどうした!?
アナ>マーサは、貴族令嬢に変装してオトリになったの
 ウルタス・ブイが善人であることを証明するために
商人>バカなことを!
アナ>さーて、今度はわたくしが・・・
ルーカス>アナお嬢様!!ご自分の身にどれだけ危険が迫っているか
 まだおわかりにならないのですか?
アナ>あらルーカス、主人であるわたくしに指図する気なの?
ルーカス>私は・・・もうアナお嬢様の使用人ではございません。お暇をいただいております
アナ>ならばわたくしがどうしようと関係ないでしょう。ごきげんよう!
 
☆アナ退場
船乗り>お、おい!いっちまったぞ!
老婆>追いかけないのかい?
 
☆ルーカス退場、暗転、司会登場
司会>人の世に別れといさかいは付き物と言いますが、はてさて・・・
 お転婆令嬢アナとルーカスの道は、再び重なることがありますものやら?
 と、ここでお時間尽きた模様。本日これにてごきげんよう


第7幕 --- 100000ガルド

 
☆アナの部屋(夜)、暗転、司会登場
司会>お転婆令嬢アナは、ひとりでウルタス・ブイを捕らえるつもりのようです
 
☆司会退場、暗転解除
アナ>我ながらほれぼれするわ。これぞ正真正銘の貴族令嬢であってよ
 ルーカス!!
 ・・・は、いないのね
 貴族をなめたら承知しませんことよ
 待ってなさい、ウルタス・ブイ!!
 
☆場面は、市場(夜)に。アナ登場
アナ>出てらっしゃいな!
謎の声>『お嬢さん、お待ちなさい』
 
☆ウルタス・ブイ?登場
アナ>ウルタス・ブイ・・・?
ウルタス?>お嬢さん、震えなくてもよろしい
アナ>・・・震えてなんかなくってよ! クララやマーサはどこ?
ウルタス?>ここから遠く離れた場所で楽しく自由に暮らしていますよ
 あなたもどうです? 新しい世界を見に行きませんか?
 
☆アナがウルタスに近寄り、一度暗転
ウルタス?>かわいそうな捕らわれの小鳥よ
 たいくつな舞踏会やくだらないゴシップで明け暮れる・・・
 そんな貴族の生活に、ほんとうは飽き飽きしておられるのでは?
 もっと広く、自由な空を見たくありませんか?
 
☆背景に船のビジョン投影
ウルタス?>私の豪華船に乗せてあげましょう。世界1周の旅など、いかがです?
アナ>ドエニスの花が咲くというはるか彼方の大陸にも行けるのかしら?
ウルタス?>もちろんですよ、お嬢さん
 
☆二人消滅、司会登場
司会>げに恐ろしきは無邪気さであります・・・
 お転婆令嬢の運命やいかに!?
 と、ここでお時間尽きた模様。本日これにてごきげんよう


第8幕 --- 500000ガルド

 
☆市場(夜)、暗転、司会登場
司会>お転婆令嬢アナは、ウルタス・ブイを信用しきっております
 
☆司会退場、ウルタス・ブイ?とアナが登場し、二人とも退場しようとする
謎の声>『待て!』
 
☆????が登場
????>おい、悪党!
 私の名を語って悪事を働くのは、やめてもらおうか?
ウルタス?>・・・ほぅ。ウルタス・ブイのご登場か
 おまえの名を借りれば、平民の信頼がついてくる
 おかげで、ずいぶん仕事がやりやすかったよ
アナ>あなた・・・誰?
ウルタス?>おや、知らなかったんですか?私はしがない商人ですよ
 血筋のいい奴隷を世界各国で売りさばく商人・・・ね
 
☆アナを気絶させる偽ウルタス
ウルタス?>ちょうどいい機会だ。ホンモノと入れ替わってやろう
ウルタス>成敗してくれるわ!
偽ウルタス>やるな! さすが正義の味方さんだぜ
ウルタス>別に、正義じゃないさ。私は大切な人達を守りたいだけだ
 
☆追いつめられる偽ウルタス
偽ウルタス>ちくしょう!
 
☆偽ウルタス倒れる
ウルタス>さぁ、お嬢さん。もうだいじょうぶですよ
アナ>ウルタス・ブイ!
 
☆場面は市場(昼)に
老婆>無事で良かった
船乗り>ウルタス・ブイが2人いたとはな!
商人>奴隷にされてた貴族令嬢達も家に帰れるんだろ?
ウルタス>あぁ。全員無事だ
 
☆動揺しだすアナ
ウルタス>どうかなさいましたか?
アナ>・・・ルーカスは、どこへ行ってしまったのかしら?
 アレは、とてもにぶいから・・・
 心配だわ
ウルタス>心配することはありません
 
☆ウルタス・ブイ、ルーカスに変身
アナ>ルーカス!?
ルーカス>私はいつもあなた様のおそばにいます
 アナお嬢様、ご無事で何よりでした
 
☆暗転、司会登場
司会>貴族令嬢連続誘拐事件に終止符の打たれたこの日
 ひとりの貴族令嬢が、町から消えました
 
☆背景に船のビジョン投影
アナ>『ルーカス! わたくし、世界が見たくってよ!』
ルーカス>『お供いたしましょう』
 
☆暗転
司会>ウルタス・ブイ物語、これにておしまいであります